香りと心と身体の関係

香りと心と身体の関係

アロマテラピーとは・・・
芳香療法といって、植物の香りと力のつまった精油を使った手当てでもあります。


アロマテラピー”という言葉は、
1931年頃にフランスの化学者、ルネ・モーリスガットフォセが
造語したものです。彼は1920年代、実験中にやけどを負い、
その処置にラベンダーの精油をかけました。
そしてやけどの回復に驚き、香りのある精油の研究をはじめました。
精油自体は、もっと昔から使われていましたが、
アロマテラピーという言葉によって精油の使われ方が
確立していったと言えます。

アロマテラピーで使われる香りは、
精油”または“エッセンシャルオイル”とも呼ばれ、
植物の花・葉・果皮・樹皮・根・種子・樹脂などから抽出した
天然のものです。有機化合物であり、
高濃度で成分を含み揮発性であるため、
使用方法や保管には注意が必要です。
また、使用に関して年齢や禁忌事項など制限のある精油
いくつかあります。つまり、100%ピュアの精油を使うのが、
アロマテラピーですので、合成の香料を使ったり、
別の香りを使用したものはアロマテラピーではありません。




精油の特性
心が落ち着くもの、
リフレッシュするもの、
意欲や集中力を高めるもの、
明るく高揚させるものなどがあり、気分などに作用します。
また、アロマテラピーは、芳香浴法(芳香拡散器の利用など)・
沐浴法(浴槽を利用など)・吸入法・湿布法・トリートメントという
方法で実践していきます。




精油はなぜ気分に作用するのでしょうか?
精油が身体に作用する経路は、嗅覚から・吸入から・皮膚からがあります。
吸入と皮膚からは最終的に血管を通じて全身に成分がまわり、
身体に影響を与えます。
ここでは、嗅覚からについて詳しく説明していきます。

鼻の奥にある嗅上皮の粘膜に成分が付着
→嗅細胞が出している嗅毛にキャッチされ
→嗅神経細胞の興奮が電気インパルスとなり
→神経繊維を伝わって嗅球へ
→嗅索へ
大脳辺縁系
大脳新皮質へと伝わります。
ここで、注目したいのは、認識をする知的な脳である
大脳新皮質へ働く前に、大脳辺縁系に働くということです。
これは、何の香りかと認識する前に、
直接的に身体に作用するということです。
大脳辺縁系は情動脳とも言われ、
快・不快・喜怒哀楽などの情動を司る扁桃体や記憶の中枢である
海馬が含まれます。精油の成分は、扁桃体で感情の変化をもたらしたり、
海馬で記憶を蘇らせたりします。

また、大脳辺縁系は生命維持の中枢である視床下部と関わっています。
視床下部は、自律神経系・内分泌系(ホルモン)・免疫系の調節、
体温や摂食や水分摂取の調節をしています。
ストレスを受けた身体は、大脳辺縁系視床下部に影響し、
バランスをくずしていきます。精油を使うアロマテラピーは、
この大脳辺縁系に変化をもたらし、結果的に視床下部に影響し、
身体のバランスを取り戻していくのです。



手当て
“タッチ”(手当て、マザーズタッチなど)そのままですが、
素晴らしい効果があります。
赤ちゃんはたくさんスキンシップをすることで、免疫力がアップします。
アロマトリートメントでは、精油とキャリアオイルをブレンドした
ブレンドオイルを使い、肌に触れていきます。
ここで身体感覚の触覚が関係してきます。
タッチによる安心感、皮膚刺激により体内の循環が
良くなることからくる作用、触覚受容器によって脊髄から脳への
刺激による作用などがおこります。
マッサージに入ると、内臓の動きが活発になったりすることが
よくあります。
また、細胞から人の身体へと変化していく段階で、
細胞の内胚葉・中胚葉・外胚葉が各臓器へと変化していくわけですが、
脳と皮膚は同じ外胚葉由来であることから、皮膚に触れることは、
脳に触れているのと同じという説もあります。



経験からタッチを通じて、
無言のコミュニケーションが成り立っているような気がします、
信頼関係が生まれてくることを感じます。
それは、言葉を使ってのコミュニケーションよりも、
もっと深いもののように思います。
継続することによって、カウンセリングを受けたかのような、
心や身体の気づきが生まれてきたりもするようです。


心と身体に作用する、アロマテラピーの心地よさをぜひ多くの人に
体験していただきたいと思います。
自分らしくイキイキ輝いて生きるため、
ストレス緩和、健康維持・増進、病気予防、美容へと
役立てていただきたいと願っています。



どうぞ、私をとおしてあなたへ
大自然の気が、この香りとともに沁み入りますように
そして、あなたが癒されますように・・・